
こりゃあ、痛快!
アヴァンギャルドでエクスペリメンタルなジャズであります。
まるでフュージョンみたいなポップなメロディのテーマでスタートするものだから、
脱力しかけていたところ、テーマが終わるや否や、いきなり演奏が崩壊。
テナー・サックス、ギター2、ベース、ドラムスの全員がぐしゃぐしゃになって、
ひとしきりノイジーな即興が続きます。
フリー・インプロヴィゼーションの嵐が過ぎ去ると、ブレイクを挟んで
2台のギターが最初のテーマに沿ったリフを奏で、しれっとテーマに戻る構成。
ぎゃはは、悪童の悪戯みたいな遊びゴコロ満載ですね。
いやぁ、マーク・リーボウとか、ジョン・ゾーンとか、
80年頃のニュー・ヨークのアンダーグラウンド・シーンを思い起こすなあ。
ノー・ウェイヴ、なんて懐かしいタームが頭をよぎりましたよ。
石当あゆみというテナー・サックス奏者、どういう人なのかとチェックしてみたら、
19歳でテナー・サックスを手にして、立命館大学卒業後、
バークリー音楽院へ留学し、卒業後そのままニュー・ヨークで活動を始めたそう。
ということは、日本での活動経験なしに、いきなりアメリカで演奏を始めたのか。
時代は変わりましたねえ。
メンバーは吉田孟、ヤナ・ダヴィドワ(ギター)、山田吉輝(ベース)、
カーター・ベイルズ(ドラムス)で、いずれもぼくには初めての人ばかり。
吉田孟は千葉出身、ヤナ・ダヴィドワはロシア系アメリカ人女性で、
マーク・リーボウばりのギターはどちらが弾いているんだろう。
主役のテナー・サックスとシンセサイザーより、
ギターの暴れっぷりの方が目立ち、全体にアンサンブル重視の作品となっています。
なんと今年の2月に、ヤナ・ダヴィドワが抜けたメンバーで来日して
ツアーをしていたとのこと。このアルバムが出る前だから、知る由もありませんでしたが、
また来てくれるのを楽しみに待ちましょう。
Ayumi Ishito "WONDERCULT CLUB" 577 5946 (2024)