馬場智章  ELECTRIC RIDER.jpg

うおぅ~、攻めてるなあ。
これぞ21世紀のエレクトリック・ジャズですね。
アンサー・トゥ・リメンバーでもパワフルなブロウを聞かせていた
テナー・サックス奏者馬場智章の3作目を数えるメジャー・デビュー作。

馬場とBIGYUKIのキーボード、韓国人ドラマーのJK Kimという、
サックス、キーボード、ドラムスのトリオを軸に、曲により
ウィーディー・ブライマー(per)、佐瀬悠輔(tp)、小金丸慧(g)、
ermhoi (vo)が参加。馬場とBIGYUKIが共同プロデュースしています。

1曲目からオーケストラのような重層的なサウンドが奏でられ、
これがたった3人の演奏なのかと、たじろぎましたね。
面白いのが、サックスはリフをひたすら繰り返すのみで、
アンサンブルに徹底的に奉仕しているところ。
リズムをスイッチして場面展開しながら、一番奔放にプレイしているのは、
主役の馬場のサックスではなく、JK Kimのドラムス。

続くアフロビートの「Season Of Harvest」では、
馬場もソロ演奏をしていますけれど、
3曲目の「WHAT IS??」でも耳に残るのは、タンギングを繰り返すリフ。
リフを繰り返しながらグルーヴを生み出して、
バンド全体のダイナミズムを発揮しようというのが、このアルバムのねらいのようです。

この曲は、ヒップ・ホップ・ユニット「ビッグ・ギガンティック」の
ドミニク・ラニがミックスをしていることもあって、
いっそうビヨンド・ジャズの意志がはっきりと聴き取れますね。

他にはバラードや短いインタールードもあれば、
佐瀬悠輔(tp)と激しいバトルをする曲あり、
小金丸慧(g)のヘヴィーなギター・サウンドをバックに思い切りブロウする曲あり、
ラストは美しいサックス・アンサンブルに導かれて
ermhoi の歌がフィーチャーされる、クールな歌もの。
多彩な楽想が詰まった渾身の作です。

馬場智章 「ELECTRIC RIDER」 ユニバーサル UCCJ2236 (2024)