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マロヤの奴隷文化の残照と混血性という、二つの根源的な側面を拡張してきたランディゴ。
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17年作の “KOMSA GAYAR” では、ロス・ムニェキートス・デ・マタンサスと共演した
キューバ録音でマロヤにルンバのエキスを注入し、
前作では自分たちでルンバに挑戦をしていましたね。
今回冒頭1曲目で再びロス・ムニェキートス・デ・マタンサスと共演しているんですが、
バタのベーシックなリズムのうえで、さまざまなマロヤのパーカッションが
突っ込むようなリズムで挑みかかるアンサンブルを構築しています。

いまやレユニオンのマロヤは、伝統派からエレクトロに至るまで、
さまざまなヴァリエーションで存在していますが、
そのなかでランディゴは、伝統派に位置づけられるのは疑いないところでしょう。
伝統にしっかりと軸足を置きつつ、旧来のリズムやサウンドに閉じこもることなく、
アーバナイズされたサウンド・プロダクションも活用しながら伝統を拡張していて、
リーダー、オリヴィエ・アラストの確かな視点と情熱に頭が下がります。

グループにゲストとして迎えているのは、フランス人アコーディオン奏者のフィクシや、
オランダ人シンガーでマルチ奏者のジノ・ボンブリーニなど、
これまでのアルバムにも参加して、ランディゴの音楽性を熟知する面々。
ソフィー・ナティエンベとルキア・アダムという女性二人をコーラスに迎えたのは、
今作が初めてじゃないかな。

アルバムのフックは、オリヴィエがギターを弾き歌ったセガの ‘Sakén’。
ランディゴのアルバムでセガを歌ったのって、これが初めてじゃない?
オリヴィエのスピリチュアルな同志だという、
セガ・シンガーのトゥルーことシリル・モインベをゲストに迎え、
アコーディオン、エレクトリック・ギター、ベース、コンガ、ジェンベを伴奏に
朗らかに歌っています。ゆったりとした歌謡性がすごくいい感じ。
この曲でオリヴィエはドラムスも叩いているんですね。

これまで以上に打ち解けた親密さを増した歌や演奏が、
ディープなトランス感に傾きがちなマロヤに、軽やかさをもたらしているように思えます。

Lindigo "OYÉ MALOYA" Hélico HWB58144 (2024)