
イエロー・マジック・オーケストラの世界進出の第一歩を記した、
79年8月4日ロス・アンジェルス、グリーク・シアターでのライヴ映像が、
生涯ベストのライヴ・ヴィデオであることは、大昔に書きました。
そのグリーク・シアターからスタートした
トランス・アトランティック・ツアーの全貌を収めた
ライヴ・ボックス・セットがついに発売。
予約した1月から、首を長くして待っていましたよ。
トランス・アトランティック・ツアーの全貌を収めた
ライヴ・ボックス・セットがついに発売。
予約した1月から、首を長くして待っていましたよ。
『PUBLIC PRESSURE』のもととなった5つの会場のライヴ音源は、
のちに『FAKER HOLIC』として2枚組CDに編集されましたが、
今回のボックス・セットでは、会場ごと5枚のCDにコンプリート収録されました。
大昔の記事で書いたように、渡辺香津美のギターが眼目であるぼくにとっては、
あらためて香津美の即興のスゴさに圧倒されました。
香津美が長いソロを弾くのは、「1000 Knives」「Tong Poo」の2曲なんですが、
どの会場のライヴでも即興がまったく違うんですよ。
使い回しのフレーズなんて、まったく出てこない。
毎回違うアイディアでソロを構成していて、真のインプロヴァイザー、ここにありです。
そしてその香津美に神が降臨したとしか思えない、神がかりソロが聴ける
グリーク・シアターでのライヴ映像は、2000年に東芝EMIから出た
『YMO 1979 TRANS ATLANTIC TOUR』と同内容のブルーレイ・ディスク化。
画質がグンとクリアになったのには、カンゲキしました。
ユキヒロと香津美がアイ・コンタクトして笑い合う「Cosmic Surfin'」でのシーンとか、
ノリノリの矢野顕子のイキイキとした笑顔がめちゃくちゃクリアになっていて、
あー、長生きはするもんだと(笑)。
映像はDVD化された時のものと同じで、ブルーレイ化しただけかと思いきや、
ちゃんと手も加えているじゃないですか。
82年にビクターからヴィデオ・ソフトで出た時から気になっていた
「Tong Poo」の冒頭のテーマ部分で、
坂本龍一が左手で弾くアープ・オデッセイのミス・トーンをリカヴァーしています。
短いフレーズだけど悪目立ちしてる箇所なので、
「あちゃ~、やっちまった」っていうシーンだったんですよねえ。
ここをちゃんと修正したとは、丁寧な仕事してるなあ。
細野晴臣が監修したそうなので、「ここ直してあげてよ」と口添えしたのかも。
DVD時とは比べ物にならないクリアな映像で堪能できる
グリーク・シアター・ライヴの完成形ですね。
このあと、ニュー・ヨークのハラーでのライヴ映像も収録されていますけれど、
ライヴ映像作品史上ワースト1位間違いなしの最低最悪の編集なので、
こればかりはブルーレイ化しても救いようがありません。
Yellow Magic Orchestra 「YMO 1979 TRANS ATLANTIC TOUR LIVE ANTHOLOGY」 ソニー MHCL3131-6