吉原祇園太鼓セッションズ
地元民から「おてんのさん」と呼ばれる吉原祇園祭は、
6月に静岡県富士市吉原の6つの神社が合同で行うお祭り。
江戸時代から続く伝統あるお祭りゆえ、
吉原の人たちにとってお囃子の音や太鼓のリズムは、
子供の頃から身近で身体に染み込んでいるんでしょうね。

吉原祇園太鼓セッションズは、大太鼓、小太鼓、鉦、篠笛という和楽器に、
ギター、ベース、ドラムス、サックス、パーカッションの洋楽器による9人組。
音楽を自覚的に聴く以前から血肉化された祭囃子と、
自分たちが聴いてきたロック、ファンク、レゲエを無理なく溶け込ませた
気負いのなさが、とても爽やかです。

土台はあくまでも和太鼓と囃子であって、土地に根差した者の強みを生かした試みは、
沖縄音楽や河内音頭に匹敵するものです。
結成10年というキャリアが、地に足の付いたクロスオーヴァーぶりに繋がってるようで、
昨年聴いたアジャテとも通じるものを感じていたら、
アジャテのジョンいえまだが参加している曲もありました。

宮太鼓やお囃子にまじって、カヴァーされる選曲がめちゃくちゃ楽しい。
ピー・ウィー・エリスの名ファンク・ナンバー 'The  Chicken'、
細野晴臣の「蝶々さん」、60年代に世界的ヒットとなった
フィリピン民謡「ダヒル・サヨ」に、ブッカー・T&ザ・MGズの 'Soul Limo' と来るんだから、
もうたまりません。
どの曲もへんにヒネったりせず、ストレートにカヴァーする姿勢がすがすがしくて、
そこが彼らの魅力につながっていますね。

吉原祇園太鼓セッションズ 「Taiko!」 テンテケ  YGTS002  (2025)