Matteo Mancuso  ROUTE 96
とてつもない才能のギタリストが登場しました!
96年シチリア島の州都パレルモに生まれた
ニュー・ギター・ヒーローの名は、マッテオ・マンクーゾ。
マッテオは、クラシックとフラメンコを折衷したようなフィンガー・ピッキングで
エレクトリック・ギターを弾くという、常識ハズレの奏法を編み出したのです。

YouTube で観て、わが目を疑いましたよ。こんなんアリかと。
デビュー作が出ていることを知ってすぐさま探したんですが、
まったく流通してないイタリア盤で、当然日本にも未入荷。
新作がまもなく出ることを本人のサイトで知り、さっそくイタリアにオーダーしました。

興奮しまくってネット検索しているうちに、なんと5月に来日するというニュースが。
ま・ぢ・か~~~とあわてて予約サイトにアクセスしたら、すでにソールド・アウト。
えぇ~? ひと月以上も前なのにい???
はぁ~。これほどの才能、みんな観たいよねえ。あぁ、情弱な自分が恨めしい。

すっかり落胆していたところに、プリ・オーダーしていた新作がイタリアから届きました。
来日記念で日本盤も出るみたいだけど。
ふん、ワタシャ、オリジナル盤しか買わんのだよと、誰に向かって八つ当たりしてるんだか。
新作が届くまで YouTube 観まくりましたけれど、
ベースのような構えの右手のフィンガリングで、
どうしてこれほど高速に弾けるんでしょうねえ。両手を使って縦横無尽に弾きまくる
トリッキーなプレイに、ただただ目が点になるばかり。

あまりにインパクト大な映像の後で音だけ聞くCDでは、印象が変わるかと思いきや、
そんなことは全然なくて、やはり驚異的と言うほかありません。
たっぷりとした太めの音色でフレットボードを駆け巡る高速プレイが、
ロック、プログレ、ジャズ、フュージョンが入れ替わり立ち代わりのトラックで全開。
この人のギターには、ジョー・サトリアーニもジェフ・ベックもジョン・マクラフリンも
アラン・ホールズワースもアル・ディメオラも、みんな詰まってるなと実感しますね。

そうしたギター・レジェンドたちのテクニックが消化されているうえで、
マッテオの個性がきちんと確立されているんだから、無敵ですよ。
なにより一音一音のクリアなトーンに、伸び盛りの才能が溢れ出ていますね。
圧倒的な指弾きのテクニックでリスナーを驚かせるばかりでなく、
メロディアスなテーマや、素晴らしくよく歌う即興のフレージングの美しさにも感動します。

パスクァーレ・グラッソといい、なんでイタリアからこんなユニークな才能が頻出するのか。
ギターの概念を塗り替えたマッテオの独創的な奏法は、
技術が音楽の表現を塗り替えるパラダイム・シフトそのものでしょう。
こんな事件を目の当たりにするのは何十年に一度の出来事で、興奮冷めやりません。

Matteo Mancuso  "ROUTE 96"  Music Theories Recordings  MTR77632  (2026)