Amr Diab  2004  Amr Diab  2005
Amr Diab  2007 Amr Diab  2016
CDリリースがなくなって、すっかり縁遠くなってしまったアラブ歌謡。
在庫処分のセール品で20年も前のシャバービーを買うってのも、
なんだか悲しい話ですけれど、これまでロクに聞いてこなかった男性歌手に
手を伸ばしてみました。

正直言ってシャバービーは女性歌手ばっかり聴いていて、
エジプトの大スター、アムル・ディアーブすら、90年代のアルバム3作と
00年の大ヒット作 “TAMALLY MAAK” ぐらいしか手元にありません。
その後まったくフォローしてなかったので、ヒット作として見覚えのあるジャケットの
04年作 “LEARLY NAHARY” も初めて聴いたんですけれど、
これがメチャクチャ良くって、ビックリ。

エジプトの郷ひろみとかリッキー・マーティンと称されてきたアムルは、
アゲアゲのヒット曲が持ち味というイメージが強かったんですけれど、
このアルバムは泣きのバラード満載で、
胸をかきむしられるような切なさいっぱいの楽曲
(現地で「ロマンスィー」と呼ばれることは以前書きました)
での歌いっぷりにシビれました。えぇ~、こんなに歌ウマかったっけか。

ミディアム・スローで聞かせる泣かせ上手なコブシ回しに聴き惚れてしまい、
これ以降のアムルのアルバムも聴かなきゃと、
売れ残っていた05・07・16年作をまとめ買い。
思えばこの時代のシャバービーは、プロダクションがグンと向上して、
インターナショナル・レヴェルのサウンドになったんでしたね。

アムルがテレビ時代のスターとして、
エジプトのアイドルとなった90年代は(アムルは田原俊彦と同い年)、
まだジプシー・キングスの大流行の余波が大きく、
ルンバ・フラメンカの色濃いサウンドだったんですよねえ。

アル・ジールからシャバービーに衣替えしたあたりから、
アラブ歌謡サウンドの本格的な欧米化が進んで、
グローバル・ポップとして遜色のないサウンドを聴かせるようになりました。
だから00年を最後に聞かずにいたのは、これから美味しくなるところを
みすみす逃していたようなもの。

まとめ買いした05・07・16年作はどれも切なさ迫る楽曲が粒揃い。
ロック色の強いギターからオーセンティックなジャズ・ギターまで、
幅広いギター・サウンドを披露するジョアン・セロの活躍が光る
“KAMMEL KALAMAK” も泣かせる曲がたんまり入ってます。

“EL LILADY” は、1曲目のウチコミのドラム・サウンドがいただけないのを
除いて、ほかはOK。それから約10年を経た “AHLA W AHLA” では
プログラミングの扱いもすっかり上達して、
手を変え品を変えのプロダクションで楽しませてくれます。
遅まきながらアラブのスーパースターの実力を再認識しました。

Amr Diab "LEARLY NAHARY"  Stallions  ROSTA047  (2004)
Amr Diab  "KAMMEL KALAMAK"  Rotana  CDROT1104  (2005)
Amr Diab  "EL LILADY"  Rotana  CDROT1353  (2007)
Amr Diab  "AHLA W AHLA"  Nay For Media  no number  (2016)