
陽を浴びた水平線の海がきらきらと反射して、
そのまばゆさに目が眩みそうになるジャケットが、
あますことなく中身の音楽を伝えていますね。
マルチ奏者ウィル・ミラーのプロジェクト、レザヴォアの新作。
レザヴォアの初作にめちゃくちゃ心を奪われたくせに、なぜか2作目を聞き逃してしまい、
ギタリストのマット・ゴールドと共同名義の新作はすぐさま買いましたよ。
ラフ・スケッチのような楽曲がいいなあ。
もう少し曲を作り込んだら、センチメンタルやメランコリックになりそうな手前で、
さっと切り上げてしまうようなトラックメイキングが効果を上げていて、胸に沁みるんです。
ソプラノ・サックスやフルートの響きなんて、もう涙が出そう。
フルートとフレンチホルンとオーボエという
斬新な組み合わせのホーン・セクションと、ストリングス・セクションと
シンセサイザーがレイヤーされる ‘Dewy’ の美しさには圧倒されました。
マット・ゴールドがペダル・スティールを弾く曲も、桃源郷サウンド。
そして驚いたのは、‘Diversey Beach’ にフィーチャリングされたフィメール・ヴォイス。
日本語の歌詞にえっ?と驚いたら、なんと歌っているのはメイ・シモネス。
レザヴォアの音楽性とベスト・マッチングで、メイ・シモネスの起用は大正解ですね。
空間に音を点描するようなサウンドスケープは、
まさしくアンビエント・ジャズの魅力そのものといえる快作です。
Resavoir & Matt Gold "HORIZON" International Anthem Recording Co. IARC0096 (2025)