
うわぁ、このまろやかさ、たまりませんねえ。
70年代MPBのサウンドを今に引き継ぐ
ヴェテラン・シンガー、サンドラ・ドゥアイリービの20年作。
MPB王道ともいえる柔らかなサウンドだけれど、21世紀の今では
なかなか聴けなくなってしまっただけに、貴重な人ですよね。
本作は北東部パラー州ベレンの作家の曲を多く取り上げたアルバムで、
パウリーニョ・モウラ、サロモーン・アビブ、ニルソン・シャーヴェス、ロベナリ・マルケス
などの作品を歌っています。
サンドラはパラーのお隣の州、マラニョン州サン・ルイスの生まれですけれど、
ベレンで育ったので、ベレンがホームグラウンドなのですね。
サンドラのキャリアはちょっと変わっていて、5歳から音楽を始めて15歳まで
クラシック・ピアノを習っていたものの、大学では歯学を専攻して
ブラジリアで歯科医として9年間勤務しています。
その後もっと夢を育む仕事をしたいと旅行代理店を設立し、
さらにコンビニエンス・ストアを開くなどしたあと、歌手になったのでした。
その落ち着いた歌声は、相応の人生経験を積んだからゆえなのか、
聴き手を包み込む懐の深さがあって、その歌声に安心して身をゆだねることができます。
そしてサンバ、ショーロ、ボサ・ノーヴァをベースにした、
生楽器主体の伴奏も申し分ありません。
バンドリン、アコーディオン、フルート、ハーモニカが効果的に配されています。
ベレンの作曲家たちの作品といっても、北東部音楽の要素は皆無で、
すがすがしいほど王道のMPBを聞かせてくれます。
これこそブラジリダージだよね。
Sandra Duailibe "DO CANTO" no label no number (2020)









