



ライアテアの新作に気づいたのは、とあるオンライン・ショップで、
スラック・キー・ギタリスト、ジョン・ケアヴェの90年代のデッド・ストックを
発見したのがきっかけでした。
おぉ、ジョン・ケアヴェとは懐かしい!とばかりに、
そこにあった3タイトルをまとめ買いしたんですが、
ジョン・ケアヴェのデビュー作以降、その後のアルバムを
知らずにいました。そもそも当時、日本に入ってきたんだろか。
93年に出たジョン・ケアヴェのデビュー作は、
スラック・キー・ギターの忘れがたい名作でした。
当時はスラック・キーギターの独奏アルバムというのが、
まだ少なかっただけに、貴重な一作だったんですよ。
スラック・キー・ギターの専門レーベル、ダンシング・キャットが
アルバムを出し始めるのが翌年の94年のことだったから、
本作はその先駆けといえました。
独学でみずからのスタイルを築いたというジョン・ケアヴェのプレイは、
派手さのない堅実なもの。ギャビー・パヒヌイのレコードを一所懸命
コピーしたそうですが、ギャビーとも違ったオリジナルの個性が聴き取れます。
デビュー作はオリジナル曲のほか、‘Blue Hawai'i’ や
‘Puff The Magic Dragon’ のカヴァーなども取り上げていました。
今回入手した3作はデビュー作に次ぐ2・3作に99年の5作目。
2・3作ともデビュー作同様ジョンのソロ・ギター・アルバムですが、
5作目はドラムス、ベース、キーボード、フルート、ハーモニカによるバンド編成で、
ジョンはヴォーカルもとっています。柔らかな歌声が人柄をしのばせますね。
どのアルバムも、安定感のある実直なギター・プレイが楽しめるほか、
独特のチューニングなど、チャレンジングな試みをした曲が数曲あって、
聴きごたえがあります。
この後もアルバム・リリースをコンスタントに続けていて、
現在に至るまで生まれ育ったハワイ島のノース・コハラで、
妻でフラ・ダンサーのホープ・ケアヴェや孫娘たちと
演奏活動を続けているようです。
ジョンとホープが主催したスラック・キー&ウクレレ・フェスティヴァルを、
98年から3年連続ノース・コハラで開催するほか、
いまや各地で開催されるフェスティヴァルに呼ばれる大ヴェテラン。
日本にも12年と16年に来日していたそうで、ぜんぜん知らなかったなあ。
John Keawe "HO ONANEA" Hometead Productions HPCD1001 (1993)
John Keawe "AUHELE" Hometead Productions HPCD1002 (1994)
John Keawe "MANA’OLANA" Hometead Productions HPCD1003 (1996)
John Keawe "HEARTFELT" Hometead Productions HPCD1005 (1999)