

CDリリースがなくなって、すっかり縁遠くなってしまったアラブ歌謡。
在庫処分のセール品で20年も前のシャバービーを買うってのも、
なんだか悲しい話ですけれど、これまでロクに聞いてこなかった男性歌手に
手を伸ばしてみました。
正直言ってシャバービーは女性歌手ばっかり聴いていて、
エジプトの大スター、アムル・ディアーブすら、90年代のアルバム3作と
00年の大ヒット作 “TAMALLY MAAK” ぐらいしか手元にありません。
その後まったくフォローしてなかったので、ヒット作として見覚えのあるジャケットの
04年作 “LEARLY NAHARY” も初めて聴いたんですけれど、
これがメチャクチャ良くって、ビックリ。
エジプトの郷ひろみとかリッキー・マーティンと称されてきたアムルは、
アゲアゲのヒット曲が持ち味というイメージが強かったんですけれど、
このアルバムは泣きのバラード満載で、
胸をかきむしられるような切なさいっぱいの楽曲
(現地で「ロマンスィー」と呼ばれることは以前書きました)
での歌いっぷりにシビれました。えぇ~、こんなに歌ウマかったっけか。
ミディアム・スローで聞かせる泣かせ上手なコブシ回しに聴き惚れてしまい、
これ以降のアムルのアルバムも聴かなきゃと、
売れ残っていた05・07・16年作をまとめ買い。
思えばこの時代のシャバービーは、プロダクションがグンと向上して、
インターナショナル・レヴェルのサウンドになったんでしたね。
アムルがテレビ時代のスターとして、
エジプトのアイドルとなった90年代は(アムルは田原俊彦と同い年)、
まだジプシー・キングスの大流行の余波が大きく、
ルンバ・フラメンカの色濃いサウンドだったんですよねえ。
アル・ジールからシャバービーに衣替えしたあたりから、
アラブ歌謡サウンドの本格的な欧米化が進んで、
グローバル・ポップとして遜色のないサウンドを聴かせるようになりました。
だから00年を最後に聞かずにいたのは、これから美味しくなるところを
みすみす逃していたようなもの。
まとめ買いした05・07・16年作はどれも切なさ迫る楽曲が粒揃い。
ロック色の強いギターからオーセンティックなジャズ・ギターまで、
幅広いギター・サウンドを披露するジョアン・セロの活躍が光る
“KAMMEL KALAMAK” も泣かせる曲がたんまり入ってます。
“EL LILADY” は、1曲目のウチコミのドラム・サウンドがいただけないのを
除いて、ほかはOK。それから約10年を経た “AHLA W AHLA” では
プログラミングの扱いもすっかり上達して、
手を変え品を変えのプロダクションで楽しませてくれます。
遅まきながらアラブのスーパースターの実力を再認識しました。
Amr Diab "LEARLY NAHARY" Stallions ROSTA047 (2004)
Amr Diab "KAMMEL KALAMAK" Rotana CDROT1104 (2005)
Amr Diab "EL LILADY" Rotana CDROT1353 (2007)
Amr Diab "AHLA W AHLA" Nay For Media no number (2016)













