
サン・パウロに生まれ、アメリカ経由でベルリンへ渡ったライズは、
ブラジリアン・ソウル、ファンク、トラップ、レゲエ、アフロビートをミクスチャーした
カラフルなブラジリアン・ヒップ・ホップを聞かせてくれます。
ジャンル横断の豊かな音楽性は、ベルリンという地で、
同じディアスポラである移民ミュージシャンたちとの共同作業から
生み出されたもののようで、生演奏というのが嬉しいですね。
ブラジリアン・ヒップ・ホップでは、かつてサウンド・クリエイターの才能に瞠目した
クリオーロ以来の逸材といえるんじゃないのかしらん。
クリオーロがUKから世界配給されたように、
ライズはベルリンから世界に発信されたのですね。
https://bunboni.livedoor.blog/2012-09-28
ライズはマルセロD2(・デー・ドイス)のヒップ・ホップを通じて
サンバの伝統を向き合ってきたのだそうで、
スラム育ちのサンバの本質を、ストリートのヒップ・ホップが継いでいるのが、
ここでも証明されたといえそうです。
ゲスト陣には、ジェンバー・グルーヴのガーナ人シンガー、エリック・オウス、
https://bunboni.livedoor.blog/2024-05-16
スーダンのトラップ・ラッパー、ゼヨ・マン、
コート・ジヴォワールのシンガー、VOVAが参加しています。
ベルリンのアンダーグラウンドなヒップ・ホップからブラジル音楽を再発見し、
ブラジル人のアイデンティティを探し求める旅のなかで、
リトル・シムズやサンファ・ザ・グレートに共感する感性が、
才能豊かなディアスポラのミュージシャンを呼び寄せたのでしょう。
主役のライズのフロウが埋もれがちになるほど、演奏は雄弁で、
ネオ・ソウルの洗練や、ジャジーなホーンのジャズ・テイストに、
耳をそばだてさせられます。
Laíz & The New Love Experience "ELA PARTIU" Besser Samstag & Agogo AR165CD (2024)