
また一人、新たなコソヴォのタラヴァ・シンガーを知りました。
メリタ・ブンジャクという女性シンガーの18年作。
以前紹介したテウタ・セリミの09年作同様『ライヴ』を謳っていますが、
こちらもライヴではなくスタジオ録音です。
プリシュティナ生まれのメリタ・ブンジャクは、91年にデビュー作を出して以降、
現在に至るまで活発にアルバム・リリースしていて、現地での人気のほどがわかります。
ナジフェ・ブンジャクという女性シンガーとの共同名義作もあり、
姉妹シンガーなのかもしれません。
クラリネットとサックスがいかにもバルカンなメロディをひらひらと奏で、
コブシたっぷりのオリエントな歌声を楽しめる、申し分のない一枚です。
コソヴォのタラヴァは、ポップ・フォークの一変種というか、
コソヴォ版ポップ・フォークのように受け止めていたんですが、
ポップ・フォークのようにヴァースとコーラスで構成されたコンポジションではなく、
明確な構成を持たず、より即興度が高く、長尺となる違いがあるといいます。
それだけタラヴァの方が、大衆芸能としての性格が強いんでしょうね。
コソヴォでは結婚式やパーティーを盛り上げるのになくてはならない音楽ですからね。
かつてはコソボ/アルバニア人化したロマたちが使うアシュカリ語で歌われていたことから、
下層民の音楽というイメージが拭えず、侮蔑のまなざしを向けられていたといいます。
その卑俗さこそが、タラヴァの魅力で、ダンドゥットと同じ匂いがするのも当然ですね。
クレジットがあるのはサックス兼クラリネット奏者の名前だけで、
ケナン・ジャスハリとファトン・マカステナという二人が記されています。
ズルナのソロも出てくるので、ズルナもこの二人が吹いているのでしょう。
打ち込みにダラブッカやダウル(大太鼓)、ダイレ(タンバリン)を絡ませてビートを強調し、
ハリのある声で歌うメリタの歌声には華があります。
Merita Bunjaku "LIVE" Arboni/Ardi no number (2018)











