
サーブリー・ブラザーズは、75年にカーネギー・ホールで公演を行うなど、
カッワーリーを初めて西欧諸国で演奏したグループ。
のちに国際的に有名となったヌスラット・ファテ・アリー・ハーンより
一足先に海外に知られ、パキスタン現地ではヌスラットを凌ぐ人気でしたね。
75年のウルドゥー語映画 “Bin Badal Barsaat ” に出演してカッワーリーを歌い、
映画のヒットとともに、パキスタン国内での人気を不動のものにしたといいます。
そんなサーブリー・ブラザーズが絶頂期にあった70年代のレコードで、
パキスタンEMIから出た78年作をストレートCD化したのが本作です。
村山和之先生がパキスタンで買い付けてきたという貴重なCDで、
首尾よく入手することができました。
兄弟二人の野性味たっぷりのヴォーカルがなまなましく掛け合う演唱は、
まさしくカッワーリーの魅力の最たるもの。
とくにサーブリー・ブラザーズのカッワーリーはメロディアスなのが特長で、
ヌスラット以上に歌謡性を帯びているように感じられます。
そんな世俗性が映画にも取り入れられる理由なのかもしれません。
じっさいこのCDでは、ハルモニウムやタブラというグループの楽器ばかりでなく、
シタールや笛、ストリングス・オーケストラなども配されていて、
聖者廟で演奏される神聖な音楽といういかめしいイメージが和らいで、
カッワーリーを初めて聴く人にも親しみやすいものとなっています。
海外向けにレコーディングされたカッワーリーは、
小編成のパーティー(グループ)だけの録音が通常なので、
こうした伴奏付きのカッワーリーはとても新鮮に感じました。
サーブリー・ブラザーズがパキスタンEMIに残したレコードはたくさんあるけれど、
こういう伴奏が付いた録音が他にもあるんでしょうか。
パキスタン現地に行けば、CD化された作品がまだまだあるんだろうなあ。
欲しいなあ。
Sabri Brothers "UNFORGETTABLE QAVVALI COLLECTION" EMI CDCEMCP5109 (1978)






土埃にまみれ、山積みにされたSP。





